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2009 年度 実績報告書

反応拡散系のパターン形成と制御

研究課題

研究課題/領域番号 19540407
研究機関九州大学

研究代表者

坂口 英継  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (90192591)

キーワード反応拡散系 / フィードバック制御 / パターン形成 / 細胞分化 / 比率制御 / カスケードモデル / ミセル / 分裂
研究概要

今年度は、反応拡散系のパターン形成と制御のテーマのもとで、制御項の入った反応拡散系モデルを生体系の基本的な2つの問題に適用した。
細胞の分化を、近傍で相互競合的だが長距離では相互に促進しあう2因子系の反応拡散方程式でモデル化し、自発的に領域が2つに分割されることを示した。さらに2つの因子が活性化する領域の面積の面積比が系のパラメータで一意的に決まることを示した。これは発生生物学でよくみられる比率制御がこの系でうまく発現していることを示している。さらに、この系をカスケード的に重ねた系の数値計算を行い、大きなスケールから小さなスケールに向けてカスケード的に領域の分化が繰り返されることを示した。これは、動物の発生において、全体が外胚葉、内胚葉にまず分かれ、外胚葉から皮膚や神経系に分化し、神経系がさらに脳、脊髄へと分化していく過程に対応していると解釈できる。
細胞分裂では細胞内部と細胞膜が増殖し2つに分裂する。実際の細胞分裂では遺伝子に制御されてアクチン系などが能動的に働き分裂が進むが、今回は周長と面積を制御したミセルを記述するギンツブルグーランダウ型の方程式の数値計算を行った。面積を一定にして、周長を大きくしていくと、丸い細胞状の構造が,ある臨界値でまず扁平化し、さらにパラメータを上げていくと、2つに分裂する様子が見られた。さらにパラメータを上げていくと、細胞構造の分裂がさらに進み、細胞数が増加することが分かった。生命の起源に現われたと考えられるプロトセル(原始細胞)の非常に簡単なモデルと解釈できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Chevron patterns and defect lattices in an anisotropic model for electro convection2009

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi, A.Matsuda
    • 雑誌名

      Physica D 238

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ratio control in a cascade model of cell differentiation2009

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi
    • 雑誌名

      Physical Review E 79

      ページ: 051916

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Splitting instability of cellular structures in the Ginzburg-Landau model under feedback control2009

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi
    • 雑誌名

      Physical Review E 80

      ページ: 017202

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞分化のカスケードモデルと比率制御2009

    • 著者名/発表者名
      坂口英継
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20090900

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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