研究課題
部分非接触ダイバータは、次期核融合装置(ITER)のダイバータ運転モードとして提案されているが、周辺のプラズマ流速は増大し熱負荷が増大するため、ダイバータ板の損耗を増大させると懸念されている。一方、水素・重水素原子のライマン系列の共鳴発光線の再吸収の効果は、再電離を促進させ再結合過程を抑制する可能性がある。そのため、この粒子ドリフトによるプラズマ流速をともなう部分非接触プラズマの形成機構と光再吸収の問題は、ダイバータにおける重要課題の1つになっている。本研究では、東海大学で開発した高熱流シートプラズマ模擬実験装置(TPD-SheetIV)により、水素又は重水素の部分非接触プラズマを生成し、その際の可視・真空紫外分光計測、粒子ドリフト計測を2次元的に測定し、部分非接触プラズマ形成過程での粒子ドリフトとライマン系列の共鳴発光線の再吸収による再電離の影響の関係を明らかにすることを目的とする。以下に平成20年度の成果を示す。(イ)真空紫外分光により計測した水素分子スペクトルとモデル計算の比較により、再結合プラズマでは、80nmから100nmにおいて光吸収が発生していることを明らかにした。(ロ)マッハプローブによるプラズマ流速、及びプラズマの電子温度・密度の2次元計測により、再結合プラズマにおけるプラズマの流れと熱流速の関係を運動項と圧力項の立場から明らかにした。
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Journal of Nuclear Materials (Online)
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Burning Plasma Diagnostics, AIP Conference Proceedings 988
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http://www.sp.u-tokai.ac.jp/~tone/