研究課題/領域番号 |
19540422
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
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研究分担者 |
大見 哲巨 近畿大学, 理工学部, シニアサイエンティスト (70025435)
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キーワード | 量子ビット / NMR量子コンピュータ / デコヒーレンス / ENDOR量子コンピュータ / エンタングルメント / 非古典的相関 / トポロジカル量子計算 |
研究概要 |
現在、実用的な量子コンピュータの候補としてさまざまな物理系が提唱されているが、どれ一つとしてその必要条件(DiVincenzoの判定条件)を満たさない。そこで我々はいくつかの物理系の複合系として量子コンピュータを実現するために、現在提唱されている物理系の徹底的な検証を行った。その結果を2008年3月刊の著書"Quantum Computing:from linear algebra to physical realizations"にまとめた。またNMRやENDORを使った量子コンピュータに関し、エンタングルメントの生成とデコヒーレンスの抑制に関する理論を提唱し、その一部を実験的に確認した。特に、spin-boson系においてdissipationの率を増加させることによりデコヒーレンスを抑える効果(quantum wipe effect)を提唱した。また量子系においてエンタングルメント以外の非古典的相関について研究を行い、その定量化を行い非古典相関をはかるメジャーを提唱した。またこの相関を量子情報処理、量子計算のリソースとして用いることができるか検討を行った。 トポロジカル量子コンピュータをを実現する系として(1)光格子にトラップされた中性アルカリ原子気体系(2)アルカリフェルミ気体2次元P波超流動体での渦糸系などが提案されている。この2つの系について、これまでなされた研究を検討し、その上に立って来年度から提案されているアイディアの改良の可能性、新しいシステムの提案また結び目理論など数学側面からの研究を行った。
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