研究課題
トポロジカル量子計算では、前年に引き続き2次元P波超流動系での渦に局在するMajoranaモードを用いた実現について研究した。Ivanov達により提案された2つのMajoranaモードからなる量子ビットでは、その状態を連続的に操作することは困難である。我々は3つのMajoranaモードで量子ビットを構成することにより、1量子ビットゲートの連続操作ができることを示した。また、同じ方法を拡張して2量子ビットゲートによりエンタングルした状態を作ることができることを示した。新たなスケーラブルな量子コンピュータとして次のような提案を行なった。2次元の平面に必要な数の穴(レーザー光の波長程度の直径)を開け、それに光ファイバーを通してレーザーを供給し、近接場光を発生さる。その近接場に中性原子を1つずつtrapさせて量子ビットとする。1量子ビット操作は光ファイバーを通したコントロール光により行い、また、2量子ビット操作は1次元光格子を用意し、操作が必要な2つの原子を光格子に移して行う。分子スピン系におけるエンタングルメント、及び非古典的相関に関する研究を行った。デコヒーレンスがある場合、量子情報処理の過程で、エンタングルメントの量と非古典相関の量が、どのように時間発展するか調べた。量子超高密度符号においては、エンタングルメントが存在しない温度下でも適当な条件の下で正しい復号が可能であるが、符号化・復号化の過程で非古典相関の変動が顕著に見られることを示した。電子・核スピン2重共鳴などの分子スピンアンサンブル系での非古典的相関の実験的な検出を簡素化するために、非古典的相関ウィットネスと呼ばれる観測演算子を定義し、それを各スピンの偏極率演算子と非局所的なユニタリー変換に分解する手法を提示した。
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http://alice.math.kindai.ac.jp/