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2007 年度 実績報告書

NMR分光法を用いてランダムコイル状態のタンパク質を残基レベルの分解能での解析

研究課題

研究課題/領域番号 19540431
研究機関関西学院大学

研究代表者

野田 康夫  関西学院大学, 理工学部, 教育技術主事 (40268511)

研究分担者 瀬川 新一  関西学院大学, 理工学部, 教授 (70103132)
キーワード生物物理 / タンパク質 / リゾチーム / 核磁気共鳴 / ジスルフィド結合 / ランダムコイル / 重水素交換 / ジメチルスルホキシド
研究概要

天然卵白リゾチームには分子内に4本のSS結合が存在する。これら4本のSS結合のうち全てのCys残基を欠損させたリゾチーム変異体OSSに注目した。また、2本のCys残基を残したリゾチーム変異体2SSと1本のCys残基を残した変異体ISSも精製を行った。これらの変異体はギ酸緩衝液中ではCDスペクトルから判断するとランダムコイルに近い構造である。OSS変異体を残基レベルで解析するためにM9培地で大腸菌の培養を行い、^<15>N同位元素ラブルした変異体を作製し、NMR分光法を用いて測定した。ギ酸緩衝液中ではランダムコイルに近い構造にあるため、分離の良い2次元HSQCスペクトルでさえピークの分散が少なく、またピーク自体も幅広化していた。そこでNMR測定溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。DMSO溶液中ではピークの分散は少ないものの、その線形が鋭くなるため各残基のピークを同定することが可能となった。ピークを同定するためにTOCSY-HSQC、NOESY-HSQC、HSQC-NOESY-HSQCの各3次元NMRスペクトルを測定した。それらのスペクトルを組み合わせて各アミノ酸残基ピークの同定を行った。この同定結果は重水素交換反応速度を求める際にどのアミノ酸残基なのかを識別することに利用する。ランダムコイル状態の残留構造を見るために、重水素交換反応を利用してNMRを測定した。重水素交換反応後、試料を凍結乾燥して反応を停止させ、測定溶媒として易動性プロトンを持たないDMSOを用いた。この方法をもって、ランダムコイル状態にあるタンパク質アミドプロトンの重水素交換反応速度を残基毎に求めることが可能となった。またこの方法は重水素交換中に添加剤を混入することを可能とするので、いろいろな応用に役立つ手法となる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The confiemation of the denatured structure of pyrrolidone carboxyl peptidase under nondenaturing conditions:difference in helix propensity of two synthetic peptides with single amino acid substitution2008

    • 著者名/発表者名
      Umezaki T
    • 雑誌名

      Proteins:Structure, Function, and Bioinformatics 71

      ページ: 737-742

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of the denatured structure of pyrrolidone carboxyl peptidase from a hyperthermophile under nondenaturing conditions:role of the C-terminal α-helix of the protein in folding and stability2007

    • 著者名/発表者名
      Limura S
    • 雑誌名

      Biochemistry 46

      ページ: 3664-3672

    • 査読あり
  • [学会発表] 構造を失ったリゾチーム2SS変異体に誘起される秩序構造2007

    • 著者名/発表者名
      徳永 直紀
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-22
  • [学会発表] リゾチーム1SS変異体の部分秩序構造形成に対するグリセロールの影響2007

    • 著者名/発表者名
      村上 周作
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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