研究課題
基盤研究(C)
リゾチームには結合が4本存在し、その特定の2本を欠損させた変異体を2SS[6-127,64-80]変異体と呼ぶ。この変異体は水溶液中では分子全体の秩序構造が失われており、ランダムコイルに近い構造であるが、グリセロールを添加すると立体構造が回復する。そこで、NMR分光法を用いて各残基アミドプロトンの重水素交換反応速度からProtection factor(溶媒プロトンと交換の度合を示す保護因子)を決定し、立体構造の構築原理について研究した。グリセロールを添加していくと、Ile55とLeu56を中心としたA-,B-,C-へリックスとβ3-ストランドの領域で特に保護が高くなった。これはα-ドメインの疎水コア領域で選択的水和効果によって長距離相互作用が回復したためである。
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