• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

短周期地震波を用いたリソスフェアの非一様・異方性不均質構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540435
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 春夫  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80225987)

研究分担者 山本 希  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30400229)
キーワード地震波 / 不均質構造 / 散乱 / 島弧 / 地殻 / リソスフェア / マントル / 波動
研究概要

1秒より短周期の地震波形は複雑であり,不均質構造や震源過程を波形を用いて決定論的に逆推定することは一般に難しい.しかし,位相を無視し振幅エンベロープの経時変化に着目することで,構造の不均質性の統計的特徴を求めることが原理的に可能である.本研究では,周波数帯ごとの微小地震波形エンベロープの解析からS波の減衰や散乱特性の地域性,さらには速度不均質の空間分布を求める.ランダム不均質媒質のアンサンブルを考えて統計的に波動伝播を考察することは,短周期地震波の伝播を考える上で優れた方法であるが,未だ限られた条件のもとでの解が得られているのみであり,不均質が非一様な場合や異方性がある場合の考察に取り組む.初年度の研究成果を以下に述べる.
1.地震の波形エンベロープの解析に基づくりソスフェアの非一様不均質構造の解明を目的として,ランダム不均質が空間的に変化する場合に波形エンベロープがどのように変化するかを,数理的に明らかにした[Saito, et. al. 2007, CCP].特に,最大振幅の遅延時間を予測する理論式を導出した[Takahashi, et. al. 2008, GJI].
ガウス型スペクトルで特徴づけられる異方性ランダム不均質弾性媒質におけるベクトル3成分波形エンベロープを,マルコフ近似理論を用いて理論的に導出した[Sato, 2007, IUGG].エンベロープ形状は波線方向に強く支配されることが明らかにされた.
鳥取県西部地震の強震動によって生じた浅い不均質地盤の増幅特性を精密に測定し,地震時の剛性率の低下とその後長期間にわたって継続する回復過程を明らかにした[Sawazaki, et. al. 2007, IUGG].

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Recursive formula for the peak delay time with travel distance in von Karman type non-uniform random media on the basis of the Markov approximation2008

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, T.H. Sato and T. Nishimura
    • 雑誌名

      Geophys. J. Int., 173

      ページ: 534-545

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct simulation methods for scalar-wave envelopes in two-dimensional layered random media based on the small-angle scattering approximation2007

    • 著者名/発表者名
      Saito, T., H. Sato and T. Takahashi
    • 雑誌名

      Commun. Comput. Phys. 3,

      ページ: 63-84

    • 査読あり
  • [学会発表] Envelope synthesis of high-frequency seismic waves in the lithospheric inhomogeneity2007

    • 著者名/発表者名
      Sato, H.
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting
    • 発表場所
      サンフランシスコ市モスコーンセンター
    • 年月日
      2007-12-14
  • [備考]

    • URL

      http://zisin.geophys.tohoku.ac.jp/~sato/index.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi