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2008 年度 実績報告書

スロースリップの発生機構ー間隙水圧の効果

研究課題

研究課題/領域番号 19540439
研究機関東京大学

研究代表者

山下 輝夫  東京大学, 地震研究所, 教授 (10114696)

キーワードスロースリップ / 間隙水圧 / 地震 / 多孔質弾性体 / 断層
研究概要

「研究実施計画」に沿って、20年度はスロースリップのモデルとして、力学的性質の異なる半無限多1孔質媒質の平面境界に置かれた断層および均質等方無限多孔質媒質中に置かれた非平面形状をした断…層の準静的挙動について大規模な数値計算を実行した。断層を境にして流体の拡散率が異なる場合ついては、論文として今年度末に、国際誌に掲載された。しかし、スロースリップは、多様な時定数を持つ現象であり、一般には、スロースリップイベント、超低周波地震、低周波地震などを総称する。これらを包括的に理解するには、動的なモデリングが欠かせないということが研究計画中に認識されるようになってきた。そこで、「研究実施計画」には明確な記述はなかったが、これまでの研究を総括し、その成果を一歩進めて動的モデルの枠内で、スロースリップのモデル化を試みた。その結果、スロースリップの発生には流体の移動がきわめて重要な役割を果たすということがわかってきた。動的破壊が不安定高速破に転じない理由は、断層面上での空隙生成に伴う流体圧の急激な低下とその結果としての滑り強化による。また、新たに生成した空隙に向かって周りの媒質から高圧流体が流れ込むことにより滑り強化の度合いがゆっくりと弱まり、わずかに滑り弱化となり破壊の成長を助長する。そのため流体移動速度に支配されたゆっくりとした動的破壊成長が起こり得るわけである。これは、スロースリップを動的モデルの枠内でモデル化した、世界で初めての研究例であり、スロースリップの理解に大きく貢献したと言える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Quasi-static fault slip on an interface between poroelastic media with different hydraulic diffusivity: a generation mechanism of afterslip2009

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, T. and T. Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research 114

      ページ: doi:10. 1029/2008JB005930

    • 査読あり
  • [学会発表] Fault bending promotes the postseismic fault growth2008

    • 著者名/発表者名
      山下輝夫
    • 学会等名
      American Geophysical Union
    • 発表場所
      アメリカ合衆国サンフランシスコ市
    • 年月日
      2008-12-18
  • [学会発表] Slow earthquakes induced by fluid flow and inelastic pore creation2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木岳人
    • 学会等名
      American Geophysical Union
    • 発表場所
      アメリカ合衆国サンフランシスコ市
    • 年月日
      2008-12-18
  • [学会発表] 異種多孔性媒質境界での地震破壊-非地震性滑りのモデル化2008

    • 著者名/発表者名
      山下輝夫
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2008年大会
    • 発表場所
      千葉市
    • 年月日
      2008-05-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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