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2008 年度 研究成果報告書

屈折法・反射法データ統合処理による新しい地殻構造イメージング法の開発

研究課題

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研究課題/領域番号 19540440
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 固体地球惑星物理学
研究機関東京大学

研究代表者

岩崎 貴哉  東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)

研究期間 (年度) 2007 – 2008
キーワード反射法探査 / 屈折法探査 / 屈折 / 広角反射探査 / 藤の木-愛川線 / フィリピン海プレート / 衝突構造 / 糸魚川-静岡構造線 / 内部構造 / 地殻構造
研究概要

近年の反射法地震探査では, 長測線で高密度のデータを取得するようになってきた. この様なデータに屈折法的解析を行うことによって, 測線下の詳細な速度構造を得ることができる. また, 後続波部分(広角反射部分)は, 反射法解析で用いられていない部分で, 対応する反射面の速度コントラストを推定することができる. 従って, このような解析は, 通常の反射法解析では用いられていない情報を使うという点で, 反射法と相補的な意味を持ち, 両方の解析を同時に行うことによって, 構造推定の精度と信頼性を高めることができる.
本研究では, 関東山地東縁で行われた高密度地震探査及び糸魚川-静岡構造線北部で行われた高密度地震探査に, 上記の統合解析を実施した. 関東山地東縁で行われた探査の場合, 詳細な屈折法解析から, 伊豆弧衝突の前縁であった藤の木-愛川線の深部構造が, その浅部は速度急変体として, 深部は広角反射面として捉えることに成功した. これによって, 反射法解析から提唱されていた伊豆弧(丹沢ブロック)の剥離と衝突過程が, より深部まで確かめられ, 地質学上の重要な知見となった. また, フィリピン海プレートの沈みこみも, 広角反射波によって, より深部まで追跡できた.
糸魚川-静岡構造線のデータについても, 同様の解析を行った. その結果, 地殻最浅部における同構造線及び過去の変形フロントであった小谷-中山断層の形状が, 速度急変体として捉えられ, 反射法で得られたイメージとよい一致を示した. また, その下の先第三系の基盤も広角反射波として精度よく捉えることができた. この結果, この構造線北部の構造は, thin-skinned tectonicsで支配されていることが明らかとなった. また, 中央隆起帯直下の深さ10km 付近では反射体が分布しており, さらに, 先第三系基盤と糸魚川-静岡構造線に夾まれた部分は, 少なくとも中央隆起体東部下までは低速度層として潜り込んでいることがわかった. これは, これまでの反射法地震探査では, 明らかでなかった知見である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Collision andsubduction structure of the Izu-Bonin arc2009

    • 著者名/発表者名
      Arai, R., Iwasaki, T., Sato, H., Abe, S. and Hirata,N.
    • 雑誌名

      revealed byrefraction/wide-angle reflection analysis Tectonophysics (in press)

      ページ: 124627

    • 査読あり
  • [学会発表] Relationship between crustal structure andseismicity beneath the northwestern part of the Kanto Plain2008

    • 著者名/発表者名
      Arai, R., Iwasaki, T. and others
    • 学会等名
      7-thGeneral Assembly of Asian SeismologicalCommission and the 2008 Fall Meeting of Seismological Society of Japan
    • 発表場所
      Tsukuba, Japan
    • 年月日
      2008-11-27
  • [学会発表] Collision and subduction structure of the Izu-Bonin Arc2008

    • 著者名/発表者名
      Arai, T., Iwasaki, T and others
    • 学会等名
      Saariselka, Finland
    • 発表場所
      central Japan
    • 年月日
      2008-06-10
  • [学会発表] Geometry of active fault systems developed along Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line, Central Japan, from recent seismic reflection surveys2008

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki, T. et.al.
    • 学会等名
      13-th International Symposium on DeepSeismic Profiling of the Continents andTheir Margins
    • 発表場所
      Saariselka, Finland
    • 年月日
      2008-06-10

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公開日: 2010-06-10   更新日: 2016-04-21  

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