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2009 年度 実績報告書

非線形な波動特性を示す微動発生源の数理モデル構築

研究課題

研究課題/領域番号 19540441
研究機関東京大学

研究代表者

武尾 実  東京大学, 地震研究所, 教授 (00197279)

キーワード地震現象 / 微動 / 噴火現象 / 非線形 / 時系列解析
研究概要

当該研究課題では,2004年浅間山噴火前に観測されたでは非線形な波動特性を持つ微動観測データから,その背後にひそむ励起の数理モデル構築を目指した.当初,当該研究課題では,非線形な波動特性を持つ微動のみを解析対象として考えていたが,研究の進展の中で,継続時間の長い非線形な長周期地震も,微動と同様な非線形なダイナミクスに関する制約条件を持つことが明らかになった.そこで,非線形な微動・長周期地震を統一的に説明する数理モデルの検討を行い,火道浅部での流体の噴出率係数をコントロールパラメータとした数理モデルで,微動と継続時間の長い長周期地震が統一的に説明できる可能性を示した.対象とした非線形な微動と長周期地震は一見非常に異なる波形を示しているが,周期1秒以上の長周期成分に注目して,時間遅れの埋め込み座標系を用いた再構成状態空間へのアトラクタ再構成による力学系システムの次元推定を行うと,同じ範囲の非線形ダイナミクス次元が求められた.そこで,推定される次元範囲の最小次元の元で,すき間流モデルとコントロール・バルブモデルをベースに検討を行った結果,微動・長周期地震両者の波形的特徴を説明できる,流体の噴出率係数をコントロールパラメータとした数理モデルの構築に至った.流体噴出率係数を変化させたときのバルブの動きと微動・長周期地震の波形は,微動や長周期地震に地震計の特性がかかっていることを考慮して比較をすると,バルブの動きは観測された波動特性をきわめてよく再現している事が確認できた.この数理モデルが,本申請の研究課題で基礎と成る数理モデルと成っている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Frequency structure of deep low-frequency tremors occurring in western Shikoku region, Japan2010

    • 著者名/発表者名
      Nakamula, S., M.Takeo
    • 雑誌名

      Geophysical Journal International 169

      ページ: 406-416

    • 査読あり
  • [学会発表] Non-linear dynamics of singular long-period long-lasting volcanic earthquakes observed at Mt. Asama2009

    • 著者名/発表者名
      Takeo, M.
    • 学会等名
      America Geophysical Union
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2009-12-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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