研究概要 |
1)インヴァージョンコードの開発 現有の3次元比抵抗インヴァージョンコード(Siripunvaraporn et a1.,2005),3次元地震波速度Double Differenceトモグラフィコード(Zhang and Thurber, 2003)を併用し,比抵抗・地震波速度-「物質・状態」依存性を用いて,電磁気応答関数,走時を同時に解釈し,直接「物質・状態」を推定するインヴァージョンコードの開発を目指している.同時インヴァージョンを構成するためには,それぞれの現有のインヴァージョンコードが完成している必要があるが,実データを用いて3次元比抵抗インヴァージョンを実施していく中で,sensitivityの周期依存性などに問題点が見出されたため,本年度はその解決を図った. 2)比抵抗・地震波速度-「物質・状態」依存性の導出 1)のインヴァージョンを定式化,ないしは結果の解釈を行うためには,同一の「物質・状態」モデルに基づいて比抵抗・地震波速度を求めておく必要がある.従来論文で公表されてきた修正ブロックモデル(岩石を同一の正六面体の集合体とし,その稜に流体が存在するモデル)に基づいた全岩比抵抗の混合則ぶ近似的にのみ正しかったことが判明したので,その厳密解を導出した.また,東北背弧域の比抵抗,地震波速度構造モデルを詳細に比較対照することで,両者の間に成り立つ関係を探った.
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