研究課題
流星群の活動から、母天体である彗星あるいは小惑星の活動史を解明することを目的とし、初年度は枯渇彗星の可能性のある近地球小惑星の中から、地球に接近するものや、既知の流星群と軌道が一致するような天体をピックアップすることに注力した。この中では複数個の候補を見いだすことに成功した。また、過去に彗星活動があったと仮定した上でダスト・トレイル理論(彗星から流星体が近日点通過毎に放出され、それらがそれぞれの塵の流れ、すなわちダスト・トレイルを形成するという理論)を適用し、地球への流星群の活動の強弱を理論計算し、その結果を実際の観測や過去の流星群観測記録と照合することで、当該天体の過去の彗星活動を探る手段を探った。例としては、周期彗星であるジャコビニ・ジンナー彗星とジャコビニ流星群の関連を探り、その彗星の活動度と流星雨の規模との間に相関があることを見いだした。さらに翌年度から流星の光学観測に用いるため、増倍管を利用したシステムに代わる、高感度・高時間分解能をもつ光学ビデオカメラシステムをくみ上げることができた。次年度では、このシステムを利用していくつかの注目する流星群について観測を行う予定である。
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Earth, Moon, and Planets 102
ページ: 111-116