研究概要 |
本研究に先立って,我々は九州西方海域から1万4千年前の急激な地球磁場変動の記録を得た。1万4千年前の氷河期から温暖期への移行期に起こったとされる急激な海水準上昇で地球の慣性モーメントが変化し,地球の回転速度が変化したことで地球磁場変動が起こったと仮説を立て,証拠固めを目指して研究を行った。九州西方海域で採取した4本の柱状堆積物試料のうち1本で1万2千年前の地球磁場の方位と強度の異常が確認されたが,他の3本では確認されなかった。さらに,異常を示した層準から別試料を採取して再測定したが,異常は確認されなかった。異常の原因は堆積後に生成された不安定な磁性鉱物によると思われる。
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