研究課題
まず、3次元球殻マントル対流シミュレーションプログラムの根幹部分の開発を集中的に実施した。具体的には、ACuTE法の基礎方程式を球座標系での表式に変換して空間離散化し、かつインヤン格子系への移行に不可欠な、要素格子間の境界値補間ルーチンを新設することで実装した。また、計算領域の領域分割を空間3方向に柔軟にとれるように工夫したことにより、大規模な並列計算にも適用が可能になっている。加えて、箱型モデルでのACuTE法の最適化と同様の手法をインヤン格子での多重格子法計算にも実装し、大規模並列時にも計算効率を保つ工夫を施している。次に、上で開発した3次元球殻マントル対流シミュレーションプログラムのテスト計算を実施した。系統的な熱対流シミュレーションを行い、ベンチマークテストの結果と比較したところ、一様粘性流体の場合だけでなく、温度依存粘性をもつ場合でも精度のよい解が得られていることを確認した。特に、粘性率コントラストが10000倍程度の条件で予想されている、対流の流れ場の長波長化("Sluggish-lid"mode)が再現できることも確認できた。一方、地球シミュレータやPCクラスタを用いた並列計算により、最大128CPUを用いた場合でも十分な計算効率が得られていることも確認した。この結果、有限体積法ベースのコードでは世界最高レベルの空間分解能での3次元球殻マントル対流計算が可能となった。この成果は、日本地球惑星科学連合2007年大会で発表済みであり、また論文が現在Physics of the Earth and Planetary Interiors誌に投稿中である。
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Visual Geosciences, doi:10.1007/s10069-007-0008-1 (Online first)
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http://www.jamstec.go.jp/esc/research/Solid/members/kameama/