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2008 年度 実績報告書

対流圏上層擾乱の挙動の力学的解明および地上擾乱との相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540455
研究機関東京大学

研究代表者

伊賀 啓太  東京大学, 海洋研究所, 准教授 (60292059)

キーワード圏界面波動 / シアー流中の中立波動 / 波の相互作用 / 渦の統計理論 / 渦の混合
研究概要

本年度の研究では、圏界面付近に捕捉された上層の波動の性質を調べるために、簡単な数値モデルを用いて擾乱の発達・波動の伝播の様子の時間発展を計算し、その振舞いに関する統計的な性質をまとめた。また、シアー流中の中立波を解析する方法を適用しながら、下層に生じる擾乱の発達に関する特徴を調べた。具体的に得られた結果は以下のようにまとめられる。
1、大気対流圏の上層にある偏西風の中で生じる波動の性質を調べるために準地衡系の簡単なモデルにおいて波動が発達様子を数値シミュレーションによって計算し、その発達した波に関する統計的な性質を調べた。偏西風の中で小さな波動が発生して大きく発達する過程がうまくシミュレートされたが、波が十分発達した段階において、流れの渦の混合の様子が、統計的に理論から期待される分布にほぼ従っており、この統計理論が実際の波動の発達の様子をうまく表す妥当なものであることが示された。同時に、その渦の混合が及んで波動が発達する範囲は限定されており、発達した波動の状態を記述するためにはその影響範囲の見積もりが重要になることがわかった。
2、対流圏上層に波が存在して、それによる下層への擾乱の励起が予想されるような状況設定において、地表面付近の下層の波が発達する過程の数値シミュレーションを行い、最終的に大きく発達する擾乱の様子を調べた。大気の下層には、発達率が大きくてスケールの小さな擾乱が本来存在しており、初期の段階ではこのような擾乱が発達するが、ある程度の時間が経過した後には、上層の波動との相互作用が存在する、大きなスケールの擾乱が残ることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Statistical theory applied to a vortex street generated from meander of a jet2008

    • 著者名/発表者名
      Iga K.
    • 学会等名
      IUTAM Symposium "150 Year of Vortex Dynamics"
    • 発表場所
      Lyngby, Denmark
    • 年月日
      2008-10-15
  • [学会発表] メソスケール擾乱発達期における成分波間の非線形相互作用の役割2008

    • 著者名/発表者名
      前島康光・伊賀啓太
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2008年大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2008-05-27
  • [学会発表] 前線不安定によるメソスケール擾乱の非線形発展-成分波間の相互作用についで-2008

    • 著者名/発表者名
      前島康光・伊賀啓太
    • 学会等名
      日本気象学会2008年春季大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-05-18

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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