研究課題/領域番号 |
19540466
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岡本 謙一 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90326273)
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研究分担者 |
重 尚一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (60344264)
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キーワード | 地球観測 / 気候変動 / 降雨 / 降雨レーダ / マイクロ波放射計 / 複合型降雨観測センサ / 熱帯降雨観測衛星 |
研究概要 |
熱帯降雨観測衛星(TRMM)には、降雨観測センサとして、降雨レーダ(PR)とマイクロ波放射計(TMI)が同時に搭載されている。両者は、同じ降雨域を観測対象としているにも拘わらず、両者で観測された降雨強度の値は異なる。この差の原因の一つとして、両者が異なったアンテナを有する独立したセンサであり、瞬時視野の大きさ、指向方向ならびに、走査方法が異なっていることが考えられる。本研究では、この欠点を除き、降雨レーダとマイクロ波放射計が共通のアンテナを用い、瞬時視野を共有する人工衛星搭載降雨レーダ・マイクロ波放射計複合型降雨観測システムを将来型の降雨観測センサとして提案し、そのシステム設計を行うことを目的とする。平成19年度においては、その第一歩として、TRMM/PRをマイクロ波放射計として利用することを試みた。具体的には、TRMM/PRの一つのアングルビン方向のデータのうち、TRMM/PRの降雨散乱受信電力を含んでいないと考えられる雨域頂よりも高いレンジビンの受信電力に注目し、この受信電力は、受信機の内部雑音電力、降雨からの放射雑音電力ならびに背景(海面)放射雑音電力の和になっているものと考えて、受信電力の中から降雨に起因するものと思われる雑音電力を抽出し、TRMM/PRから求めた降雨強度ならびに空間の雨滴粒子密度のレンジ方向の積算値との相関を求めた。その結果、降雨に起因すると思われる雑音電力と降雨強度ならびに空間の雨滴粒子密度のレンジ方向の積算値には、相関があることを見出した。また、平成19年度においては、雲解像モデル(Goddard Cumulus Ensemble(GCE)モデル)に基づく水平方向512km×512km、高度方向20km(鉛直分解能0.25km)の降水物理モデルを作成し、降雨レーダによる降雨観測シミュレーションを開始した。
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