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2008 年度 実績報告書

大気海洋結合モデルを用いたENSOにおけるバリアレイヤー振動モードの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19540469
研究機関気象庁気象研究所

研究代表者

藤井 陽介  気象庁気象研究所, 海洋研究部, 研究官 (60343894)

キーワードバリアレイヤー / ENSO / エルニーニョ / 海洋塩分 / 海洋データ同化 / 大気海洋結合同化システム / 季節予報 / 大気海洋相互作用
研究概要

1,準結合同化システムによる1950〜2006年の気候変動の再現実験の結果を、昨年に引き続き解析した。その結果、フィリピン東方沖の降水、及び、循環場が、熱帯インド洋上の東西循環と相関し、エルニーニョ後のインド洋海面水温の昇温の影響を強く受けることについて、大気モデルによるシミュレーションでは再現されないが、準結合同化システムでは現実的に再現されることが明らかになった。また、大気の再解析データなどでは、インド洋海面水温のここ数10年の昇温に伴い、インド洋上の降水について偽の増加トレンドが見られるが、準結合同化システムでは、大気海洋相互作用を適切に表現することにより、このトレンドについても解消されることがわかった。
2,1997年のエルニーニョについて、準結合同化システムによる解析結果を用いた予報実験を行い、その発生と解消が1年程前から適切に予測されることを明らかにした。また、太平洋熱帯域の水温・塩分場がエルニーニョの予測にどのような影響を与えるかについて感度実験を行ったが、このシステムでは西太平洋の海面水温や表層塩分場とは関係なく、強いエルニーニョが発生するという結果となった。今後は2002年や2006年のエルニーニョについて、同様の感度実験を行い、エルニーニョ予測に対する塩分場の影響を検証する予定である。
3,海洋のデータ同化において、同化により水温場のみを修正して塩分場に修正を加えない場合、密度成層に不安定を生じ、鉛直混合が強くなるため、太平洋熱帯域表層の高塩分水の水温が低下してしまい、バリアレイヤーの形成が妨げられるが、水温と塩分の結合EOFモードを用いて塩分場にも修正を加えることにより、この問題が解決することを示した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Coupled climate simulation by constraining ocean fields in a coupled model with ocean data2009

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Fujii
    • 雑誌名

      Journal of Climate 22(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rapid termination of the 2006 El Nino and its relation to the Indian Ocean2009

    • 著者名/発表者名
      Goro Yamanaka
    • 雑誌名

      Geophysical Research Letter 36(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] OSE-OSSE activities using the ocean data assimilation and prediction system MOVE/MRI. COM2008

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Fujii
    • 学会等名
      GODAE Final Symposium
    • 発表場所
      Nice, France
    • 年月日
      20081112-20081115
  • [学会発表] Ocean Initialization for Seasonal Forecasts2008

    • 著者名/発表者名
      Magdalena Balmaseda
    • 学会等名
      GODAE Final Symposium
    • 発表場所
      Nice, France
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] Coupled Ocean and Atmosphere Analysis by Assimilating Ocean Observation Data to a Coupled Model2008

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Fujii
    • 学会等名
      the Third CLIVAR/GODAE Meeting on Ocean Synthesis Evaluation
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] 最近のインド洋海面水温トレンドにおける観測とモデルの不一致2008

    • 著者名/発表者名
      山中吾郎, 藤井陽介, 安田珠幾
    • 学会等名
      日本海洋学会2008年秋季大会
    • 発表場所
      広島県呉市
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] MOVEシステムの最近の開発と準結合同化による大気の解析2008

    • 著者名/発表者名
      藤井陽介
    • 学会等名
      2008年データ同化夏の学校
    • 発表場所
      青森県むつ市
    • 年月日
      2008-08-23
  • [学会発表] Coupled Ocean and Atmosphere Analysis by Assimilating Ocean Observation Data to a Coupled Model2008

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Fujii
    • 学会等名
      Asia-Oceania Geosciences Society 2008
    • 発表場所
      Busan, South Korea
    • 年月日
      2008-06-17
  • [備考] ホームページ

    • URL

      http://www.mri-jma.go.jp/Dep/oc/sub/BLTmode.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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