研究課題/領域番号 |
19540474
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北井 礼三郎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (40169850)
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研究分担者 |
西川 宝 京都経済短期大学, 経営情報学科, 教授 (10172636)
柴田 一成 京都大学, 理学研究科, 教授 (70144178)
永田 伸一 京都大学, 理学研究科, 助教 (30362437)
上野 悟 京都大学, 理学研究科, 助教 (70303807)
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キーワード | 太陽 / 太陽風 / 太陽プラージュ / 彩層ジェット / 磁気リコネクション |
研究概要 |
本研究費補助により、今年度は以下の研究を行った。(1)太陽観測衛星「ひので」の可視光望遠鏡イメージデータおよび飛騨天文台でのCaIIK分光データの解析から、黒点周辺のプラージュ彩層でのガス放出の様子を研究し、静穏域でのスピキュールより激しく質量放出がコロナに向けて行われていることを見出した。これはプラージュ域コロナおよびそれに伴う太陽風への質量補給機構研究の基礎となる結果である。成果は2008年3月の天文学会年会にて発表した。(2)黒点周辺に散在するエラーマンボムという微小輝点が、磁気リコネクションによって発生していることを「ひので」衛星のCaIIH像解析から裏付けることに成功した。これはエラーマンボムが活動領域でのトランジエントなコロナへの質量放出に寄与することを意味する。成果は日本天文学会欧文報告に論文発表した。(3)飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡での3次元磁場観測の解析から、活動領域の磁気浮上の様子を詳細に明らかにすることに成功し、光球では波打つ形で磁気浮上が起こっており、そのために形成される反平行磁場による磁気リコネクションがエラーマンボム加熱の原因であることを分光手法としては世界で初めて明らかにした。成果は、日本天文学会年会で発表し、Astrophysical Journalに投稿中である。(4)飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡での太陽リムスピキュールのHα線高分解能分光観測から、高速スピキュールの速度、輝線幅の統計解析を行った。通常のスピキュールとは異なる高速スピキュールの存在を明らかにした。この結果は、現在論文作成中である。この高速スピキュールがコロナルホールに集中しているかどうかという点を更に明らかにする予定である。
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