• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

せき止め湖堆積物を用いた大規模斜面崩壊の規模・周期性の推定と被害軽減手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19540480
研究機関岐阜大学

研究代表者

小嶋 智  岐阜大学, 工学部, 教授 (20170243)

キーワード自然災害 / 地すべり / 斜面崩壊 / 地震 / 防災
研究概要

平成21年度には,富山県の八尾町桐谷・立山カルデラ,三重県の大台町薗川,滋賀県の多賀町大君ヶ畑などで調査と試料採取を行った.これらの調査および試料解析の結果,次のような事項が明らかとなった.
1.桐谷には巨大な地すべりが多数大規模な地すべりが多数発達するが,これらの地すべりはこの地域に分布する岩稲累層の岩相・構造に規制されて発生している.すなわち,安山岩質火山岩および火山角礫岩層に挟まれて分布する凝灰岩層が変質し,スメクタイトを生じ,すべり面となり,その面が地形面とほぼ平行となる流れ盤構造の斜面で大規模な地すべりが発生している.地すべりの発生年代は約2500BPである.
2.立山カルデラの外壁を作る鳶山は,1858年の飛越地震の際に大崩壊(いわゆる鳶崩れ)を起こしたことで有名である.その際の崩壊堆積物は鳶泥と呼ばれているが,立山カルデラ内には鳶泥以外にも何層かの崩壊堆積物が認められる.そのうちの一つ(国見泥)に含まれる木片の14C放射年代を測定し,2265BPという年代値を得た.
3.薗川沿いに分布するせき止め湖堆積物の2層準に含まれる木片の14C放射年代測定を行い,上位層中の木片について20440,20820BP,下位層中の木片について20910BPという年代値を得た.
4.大君ヶ畑に分布するせき止め湖堆積物に含まれる木片の14C放射年代を測定し,345,360BPという年代値を得た.暦年変換すると,1470-1540AD,1560-1630ADの2つのピークがあり,地震が素因であるとすると,1498年の静岡県沖の地震,1586年の天正地震,1596年の畿内を中心とする地震などの可能性がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Landslide history deduced from landslide-dammed lakes and their deposits : Examples from central Japan2010

    • 著者名/発表者名
      Kojima, et al., (ほか8名)
    • 雑誌名

      Proceedings of IAEG 2010 (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 富山県下のせき止め湖およびせき止め湖堆積物の特徴および形成史2009

    • 著者名/発表者名
      小嶋智, ほか7名
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会予稿集
    • 発表場所
      慕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-19

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi