研究課題
平成19年度の研究において、本研究の主対象地質である三郡平成帯の中で、山鹿地方の岩石試料(変成塩基性岩石・超塩基性岩)の化学組成(主要元素・微量元素)解析し、海洋地殻的な組成上の特徴を確認した。その特徴は予想通りの結果を導き、西南日本に点在する三郡変成帯の岩石試料を解析する上で、今後の研究方針を定めるための重要な情報を示した。この結果を踏まえて、平成20年度以降に広域的な野外調査・試料採取を重ねて三郡塩基性岩・超塩基性岩石学的・岩石化学的特徴を解析し、同位体組成分析を重ねてそれらの起源および当時地殻変動・造山運動の様子を解明する予定である。また、研究分担者として関与する研究「ユーラシア大陸極東域における微小大陸衝突・集合時の変動テクトニクス」にて、ベトナム北部の野外調査に参加させていただき、採取した岩石試料について本研究補助にて行う研究と同様の解析を行った。その結果については、平成19年11月のGondwana Symposiumにて公表し、相応の反応・評価を得た。そして岩石の構成と組成が北部ベトナムと西南日本とで対比可能であることが確認できた。両者は放射年代測定の結果からもほぼ同時代であることが示唆されるので、古太平洋にて起こった地質現象の比較が可能となる。国内外の地質体およびその岩石試料の対比・比較はその地方のみならず地球上の広範囲に影響を及ぼした現象を把握することが可能となるので、今後ともその機会が生じたら調査・解析に積極的に関与する所存である。本研究補助にて行う研究課題とは間接的に関係するその他の研究についても、本補助金にて培った技術および購入した機材・物品を有効に活用した(例えば、公表論文のMiyamoto et al.(in print)また、学会講演の宮本(2007);Miyamoto et al.(2007)など。およびその他共著論文・共同研究発表など)。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Geological society of London, Special Issue (In press)