• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

初期日本列島構成岩類の同位体組成:古太平洋とユーラシア大陸の間で何が起こったか?

研究課題

研究課題/領域番号 19540484
研究機関九州大学

研究代表者

宮本 知治  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30281190)

キーワード変成塩基性・超塩基性岩 / 海洋地殻 / 形成発達史
研究概要

平成19年度に引き続き、平成20年度も本研究の主対象地質体である三郡変成帯の中で、山鹿地方の岩体を広域に調査した。採取した岩石試料(変成塩基性岩類・超塩基性岩)については産状を検討し化学組成(主要元素・微量元素)を解析した。その結果、変成岩ゆえに組成変化の可能性が有るにも関わらず海洋地殻的特徴が得られた。この組成的特徴は、対象とした岩石の起源を確定させるとともに、今後の研究方針を確定させ、調査を広域的に行う意義とその際の主目的(どのような産状に注目し、採取必要な試料は何か?など)の把握が可能となった。この結果を踏まえて、平成21年度以降、比較的早い時期に野外調査を行い、三郡変成塩基性岩・超塩基性岩の岩石学的・岩石化学的特徴を解析し、同位体分析を行い、それらの起源や当時の地殻変動・造山運動の様子を解明する予定である。
また、研究分担者として関与する研究「ユーラシア大陸極東域における微小大陸衝突・集合時の変動テクトニクス」にて、ベトナム北部の野外調査に参加させていただいた際の岩石試料について、本研究(初期日本列島構成岩類の同位体組成)と同様の解析を行った。その結果については、平成20年5月の地球惑星科学連合2008年大会、その発展した成果について平成20年9月の岩石鉱物鉱床学会にて公表し、それぞれ相応の反応・評価を得た。そして岩石の構成と組成が北部ベトナムと西南日本内帯とで対比可能であることがより鮮明となった。この結果は、当時のPaleothethys海から古太平洋そして現在の太平洋へと推移する海洋地殻の変遷をたどる上で貴重な情報と成りうる。それゆえ、今後とも調査・解析を行う機会があったら積極的に参加し、過去の日本列島周辺の地質学的特徴を、今までとは異なる視点で解析したい。
本研究補助にて行う研究課題とは物質移動などの観点で間接的に関係するその他の研究についても、本研究補助にて培った技術および購入した機材・物品を有効に活用した(例えば、公表論文のMiyamotoetal.(2008)や、学会講演の宮本ほか(2008、11月))。その成果は、将来、日本列島や大陸地殻の形成を考察する上で重要な情報源・考察対象になると確信する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Post-peak(<530 Ma)thermal history of Luutzow-Holm Complex, East Antarctica, based on Rb-Sr and Sm-Nd mineral chronology2008

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto, T., et al.
    • 雑誌名

      Geological Society of London, Special Publication 308

      ページ: 165-181

    • 査読あり
  • [学会発表] 1998-2006年の脊振山頂に降下した風送塵のSr・Nd同位体組成2008

    • 著者名/発表者名
      宮本知治, ほか
    • 学会等名
      質量分析学会同位体比部会
    • 発表場所
      愛知県新城市
    • 年月日
      20081100
  • [学会発表] ソン・マ縫合帯に産する角閃岩の微量元素組成2008

    • 著者名/発表者名
      宮本知治, ほか
    • 学会等名
      岩石鉱物鉱床学会
    • 発表場所
      秋田県秋田市
    • 年月日
      20080900
  • [学会発表] べトナム北部、Song-Ma縫合帯に産する角閃岩類の化学組成2008

    • 著者名/発表者名
      宮本知治, ほか
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2008年大会
    • 発表場所
      千葉県千葉市
    • 年月日
      20080500

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi