研究概要 |
直下型地震の深部過程を明らかにするため,地震発生深度の地質帯(領家変成帯)の岩石を用いて,卓越する変形機構の解明を目的として研究を行なった.これまで,その深度における岩石の変形は石英集合体の転位クリープによって代表されるとされてきたが,詳細な構造岩石学的解析の結果,石英集合体は拡散クリープによって変形することが明らかとなった.拡散クリープは転位クリープに比べ,3桁程度粘性率が低いため,地殻の強度はこれまで考えられていたよりも著しく小さい可能性が高く,地震の発生過程のモデル化や地殻のレオロジーにとって重要な知見を提供した.
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