日本のペルム紀から白亜紀前期付加体中の石灰岩ブロックは多種多様なペルム紀-三畳紀有孔虫化石を産し、パンサラッサ起源の海山のプレート運動や東アジアの中・古生代テクトニクスや古生物地理の考察に制約条件を与える。環太平洋の中・古生代有孔虫化石研究の最適地である日本の各地帯で、調査地域をしぼり、石灰岩ブロックごとにそれらの産状・岩石学的特徴・化石群集を把握し、有孔虫化石の生層序分布や群集組成と石灰岩相との関係を明らかにした。また、これまでの筆者の未公表資料や海外の文献調査結果を追加し、分類群の系統関係・時空分布・特徴種や群集組成の相違を検討し、多くの関連分野の文献情報を考慮に入れ、古生代後期有孔虫古生物地理や石灰岩や含石灰岩層の形成場とその後の造構過程を議論した。本課題研究の最終的な結論に至るまではさらに時と情報を要するが、本研究課題を筆者が長年取り組んできた一連の研究の延長上に位置づけ、精力的に推進した結果、公表論文18編と多くの新知見が得られた。
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