研究概要 |
本年度の主な研究実績は下記のようにまとめられる。 1. 非平衡コンドライト中に含まれる金属鉄はコンドライトの分類にもっとも有用な鉱物であることがわれわれの研究により明らかになり、国際隕石学会誌で成果を発表した(Kimura et.al., 2008)。また、これによるコンドライトの分類の新たな展開について松江で開催されたワークショップで共同研究者と発表した(Grossman and Kimura, 2008)。 2. 炭素質コンドライトからAlに極めて富む輝石を発見、記載し、クシロアイトとして国際鉱物学会から新鉱物として認可された。その成果は国際隕石学会(松江)で発表した(Kimura et.al., 2008)。これに関しては論文を投稿中である。 3. エンスタタイト・コンドライト中のフロゴパイトの微量元素の測定をワシントン大学などの研究者と行い、成果を国際韻石学会(松江)で発表した(Kimura et.al., 2008)。 4. 炭素質コンドライト中のオリビンに富む包有物の凝縮過程を東京大学の研究者と検討し、論文として発表した(Sugiura et.al.,2009)。 5. 水質変成作用を受けている炭素質コンドライト中のコンドルールの変質過程を神戸大学の研究者とともに微量元素から検討し、論文として発表した(Inoue et al.,2009)。 6. 普通コンドライト中の衝撃ベインの研究を引き続き行い、固相転移ではなく、メルトからの晶出であることを見いだした。これに関しては論文を投稿中である。 7. 極めて始源的ということがわれわれの研究で明らかになった、炭素質コンドライト中のコンドルールの岩石学的、及び同位体的研究をウィスコンシン大学の研究者と共同研究を開始した。
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