研究概要 |
EPMAによるケイ酸塩鉱物中の酸素定量分析を行うために、予定していた機械改良はほぼ終了し、実用的な分析を始める見込みができた。ただし、研究計画にある「地質温度計の再検討」を行うためにできるだけ制度の良い酸素定量分析が必要である。本年度特に特性X線の測定及びその補正や誤差要因の特定に力を注いだ.その結果は以下の通り. 1. バックグラウンドの位置が決まった.妨害X線が多いので,もっとも影響の少ない場所を探し,必要な補正を検討した.元素によっては妨害X線があるので補正が必要ということが分かった. 2. 【定量分析】酸化物を仮定し補正計算をしたときの酸素濃度が正しいと仮定すると,数パーセントの誤差が生じることがあることが分かった.この誤差の原因を探る必要がある.酸素の測定で,バックグラウンドの形状に指数関数を用いることが望ましいことが分かった.直線ではパフォーマンスが著しく落ちる. 3. 【表面損傷】電子線照射による表面損傷が著しい場合(例えば石英)は,誤差が10パーセント以上の誤差を生じ、要注意である. これらの結果を踏まえ,次年度更なる制度向上を目指す予定である.測定を予定している試料の特徴を先に記載し、本年度その記載に基づいて2編の論文は雑誌に掲載された.
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