研究概要 |
平成21年度中、EPMAによる微少領域における酸素定量分析法の開発はほぼ完了した。詳細は以下の通りである。 酸素を(1)1スポットだと5%程度,(2)10点くらい分析して平均すれば1%以下の精度で測定できるようになった.岩石における主要な鉱物の多くに対応できるようにバックグラウンド位置を決めている(22の物質を用いて決定). また、重要な点、教科害に書かれていない現象に気が付いた.LDEは累積多層膜疑似結晶で,高次線の反射が無いと言われている.しかし,Naの2次線が実際には観察された.Naの2次線は酸素のK線に干渉する.したがって,累積多層膜疑似結晶であってもPHAを用いた上で,X線の干渉補正を行う必要があることが明らかになった。(PHAと干渉補正の両方を行わなければならないのは,ガスフロー型比例計数管のエネルギー分解能が低く完全にNaと0を分離することができないからである.) 本研究課題に関する学会発表を3回(内国際学会1回)行い、論文3本は査読有り国際雑誌に掲載された。また、酸素分析のcross checkとしてイギリスのブリストル大学の研究者に既にMossbauerで輝石中のFe^<++>/Fe^<+++>の比が決定済みのエクロジャイト試料を提供してもらった。両測定値は一致すれば本研究の信頼度と普及につながると考えている。Kokchetavエクロジャイトに関する分析のために必要な資料準備は出来た。
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