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2008 年度 実績報告書

星間空間に類似した極低温状態のアミノ酸分子の真空紫外光照射による解離

研究課題

研究課題/領域番号 19540513
研究機関大阪府立大学

研究代表者

岩本 賢一  大阪府立大学, 理学系研究科, 助教 (00295734)

キーワードイオントラップ / 星間分子 / 光解離反応 / 質量分析
研究概要

電波天文学の発達により星間空間の分子雲の中に水、酢酸など120種を超える分子が存在することが確認されている。しかしながら、生体の基本分子であるアミノ酸は観測されていない。アミノ酸が紫外線照射環境下である星間空間で分解される可能性を調べることが研究目的である。このために、極低温イオントラップ質量分析装置を用いて宇宙空間に似た環境を再現し、真空紫外光照射によるアミノ酸の光解離物の同定と構造を明らかにすることを試みた。
イオントラップ中の解離物を高精度で測定するイオントラップ/飛行時間型質量分析装置を作製し、論文発表を行った。また、現有しているポールイオントラップよりも、より多くのイオンが蓄積できる新規なリニアイオントラップを考案した。従来のリニアイオントラップの問題点は、蓄積したイオンの排出効率が悪いことである。これを向上させるために、新たな電極をリニアイオントラップに設置し、排出効率が100%となる新規な手法を見出した。イオン軌道シミュレーションを行い、新規なリニアイオントラップを作製している。
イオンの光解離過程を議論するためには、解離前のイオンの電子状態が選択されている必要がある。従来のイオン化法で生成したイオンは、励起状態と基底状態が混在している。この問題点を解決するために、基底状態だけのイオンを生成するペニングイオン化装置を作製し、基底状態のイオンが生成することを確認した。これらの成果を学会で発表した。現段階では、アミノ酸のイオン化に成功していないため、更なるイオン源の改良を行っている。
今後、リニアイオントラップを設置した光解離装置を完成させ、真空紫外光照射によるアミノ酸の光解離物の同定を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Development of an ion trap/multi-turn time-of-flight mass spectrometer with potential-lift2009

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Iwamoto, et. al
    • 雑誌名

      European Journal of Mass Spectrometery 15

    • 査読あり
  • [学会発表] イオントラップ中でのペニングイオン化2008

    • 著者名/発表者名
      岩本賢一, 他1 名
    • 学会等名
      原子衝突研究協会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-08-05
  • [学会発表] イオントラップを用いたペニングイオン化2008

    • 著者名/発表者名
      岩本賢一, 他1名
    • 学会等名
      日本質量分析学会
    • 発表場所
      筑波国際会議場エポカル
    • 年月日
      2008-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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