研究課題/領域番号 |
19540515
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 和也 独立行政法人理化学研究所, RI製造応用チーム, 先任研究員 (70221356)
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研究分担者 |
木寺 正憲 独立行政法人理化学研究所, イオン源開発チーム, 仁科センター研究員 (60360533)
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キーワード | ECRIS-MS / 同位体測定 / 元素合成過程 / 微量元素分析 / 隕石 / 多元素同時分析 |
研究概要 |
本研究の目的は、様々な元素に対して高効率でのイオン化が可能なECR(電子サイクロトロン共鳴)イオン源-質量分析装置(ECRIS-MS)を用いて、始源的物質を含む隕石の微小組織の同位体分析を系統的(具体的には希ガス、Mg、Si、Ti、等の比較的軽い元素から、Zr、Mo、等の中質量域、さらに白金属、希土類元素など比較的重質量域に至る元素)に行い、元素の同位体変動の相互の相関性の有無を検証し、物質の起源、元素合成過程に関する解析を行うことである。そのために、ECRIS-MS装置の改良を行い、測定感度と精度を必要な仕様にする必要がある。ECRIS-MS本体は試作器として既に、本研究開始時には制作済みである。平成19年度においては、以下の3点に関する研究実績を収めた。1.同位体測定精度を高めるために、検出器周りの電子回路をアップグレードして、10^<-12>〜10^<-13>アンペアレベルの微小電流を精密に計測出来るようにするとともに、極微量元素の同位体分析に備え、イオン源を清浄な環境に保っため、微量分析専用のイオン源器材(石英管、高純度カーボン電極など)を整備した。固体元素の同位体測定までは至らなかったが、希ガス(KrやXe等)試料を用いて、多価イオン分布を利用しての複数の元素の複数の同時同位体測定を試み、その有効性を実証した。2.幅広く電子のエネルギーを制御できるというECRイオン源の特徴を利用し、選択的な分子イオン開裂とイオン化の制御を試み、成功を収めた。3.鉄隕石への応用を念頭に置き、導電性試料に対するスパッタリングを併用したイオン化システムをくみ上げた。平成20年度においてはまず、このスパッタリングシステムを用い、鉄隕石を想定した試料にたいしてMoなどの微量元素の同位体測定を試みていく予定である。
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