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2007 年度 実績報告書

消滅核種および年代学的研究による太陽系初期におけるアルカリ金属元素の挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19540516
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

米田 成一  独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究主幹 (60210788)

キーワード消滅核種 / セシウム / 隕石 / バリウム / 同位体 / 狭山隕石 / コンドルール / Cs-135
研究概要

アルカリ金属元素は典型元素で存在量も多いが、その特異な性質のために、太陽系初期の多様な分別過程、特に水の関与する過程において非常に大きな移動・分配を起こしている。本研究は、阻石中のアルカリ金属元素の存在度とそれに関連する元素の同位体比を精密測定し、これらの元素がいつどのような過程で移動したかを解明することを目的とする。
初年度は、非常に強い水質変成を受けた炭素質コンドライトである狭山限石(Yoneda et. al.,2001)中のコンドルールを顕微鏡下でハンドピッキングにより取り出し、さらに酸による多毅階抽出を行ってアルカリ金属元素の定量とBa同位体分析を行った。狭山隕石は炭酸塩鉱物中の気泡に液体の水の存在が確認されているが(Zolensky, et. al.,2001)、バルクのBa同位体組成はBa-135とBa-137に異常があるs-過程元素合成により生成された成分の影響を大きく受けており、アルカリ金属元素Csの消滅核種Cs-135によると考えられる異常はわずかに検出されたのみであった(Hidaka, et. al.,2003)。狭山隕石のコンドルールは水質変成によりかなりの部分がフィロケイ酸塩となっており、一部に元の鉱物であるかんらん石が残っている。弱い酸で抽出したフラクションはバルクと同様にs一過程成分が主であったが、王水で抽出したフラクションや酸残渣のフラクションにはBa-137の異常は見られず、消滅核種Cs-135からできるBa-135にのみ明確な異常が見られた。これは水質変性によりCsが一部鉱物に選択的に移動したことを示すと共に、水質変性が隕石形成直後に起こったことを示している。
年度末になったが、分析精度向上のために質量分析計の検出部のプリアンプボードを新規に購入し、また、オイルミストを防ぐために真空ポンプをオイルフリーのダイヤフラムポンプと交換した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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