研究課題/領域番号 |
19540529
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐藤 正泰 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (80354603)
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研究分担者 |
諫山 明彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (90354597)
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キーワード | 雷子サイクロトロン放射 / トーラス形状 / 2成分マックスウェル分布 / 雷子温度 / 斜め伝搬 / 放射温度 / トカマク / ECE |
研究概要 |
将来の原型炉の電流駆動として電子サイクロトロン波を用いることが有望視され、この場合、電子の速度分布関数はマックスウェル分布からずれる。また、電子サイクロトロン放射(ECE)とトムソン散乱の電子温度の測定値が異なることが報告されている。先ず、シンクロトロン放射損失を評価する上で基礎となる放射温度を評価している。放射率は磁場に直角方向に放射されるTrubnikovの公式を用い、放射輸送の式を解き、2成分球対称相対論的マックスウェル分布における基本波正常波と2倍高調波異常波のECE放射温度(T_e^<rad>)を評価し、高速電子の熱的電子の電子温度(T_e^<th>)へ与える影響を今年度は詳細に評価した。定性的には、高速電子の電子温度(T_e^<sup>)が低い場合は、基本波正常波に比べ、2倍高調波異常波は影響を受けやすいが、温度が高くなった場合は、影響を受ける度合いは同程度であることがわかった。具体的には、T_e^<sup>=50keVの場合は、2倍高調波異常波では高速電子の電子密度(n_e^<sup>)が熱的電子の電子密度(n_e^<th>)の約0.5%、基本波正常波ではn_e^<sup>がn_e^<th>の約5%になると、T_e^<rad>がT_e^<th>から10%高くなった。一方、T_e^<sup>=150keVの場合は、2倍高調波異常波ではn_e^<sup>がn_e^<th>の約0.03%、基本波正常波ではn_e^<sup>がn_e^<th>の約0.06%で、T_e^<rad>がT_e^<th>から10%高くなった。この高速電子の放射温度への影響は、2成分温度の放射温度の簡単なモデルを基に熱的電子と高速電子の放射率の周波数依存性を考慮すると、定性的に説明できることが分かった。
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