研究課題
トカマク配位に関しては、相対論的取り扱い、磁場構造、伝搬方向等を取り入れて、炉心級トカマクにおけるシンクロトロン放射損失(P_<syn>)の評価を行っている。水平面上、鉛直面上の任意の視線について、放射スペクトルを評価した。この結果を基にして、放射損失の評価を行った。水平面上の視線ではトロイダル角度依存性を持つことから、異常波、正常波成分に分けて、それぞれの寄与を考察した。異常波成分はトロイダル角度の上昇とともに増加する。これは放射が磁場に直交する視線が大きく、かつこの様な視線が高い温度領域を通過することに因る。正常波成分は、トロイダル角度が60-75度でピークを持つ。これは、正常波の放射が直交成分は低いこととこの様な視線が高い温度領域を通る2つの過程の競合の結果である。P_<syn>のポロイダル依存性は弱い。以上の計算を基に、ポロイダル依存性はない真空容器内壁での反射はない等の仮定を行い全P_<syn>を評価した。全P_<syn>の電子密度依存性は密度の約0.5乗であることがわかった。原型炉と同程度の低アスペクト比のJT-60SAにおける電子サイクロトロン放射(ECE)スペクトル及び測定可能な電子温度分布(T_e(r))を評価した。ECEによるT_e(r)測定の可能性を放射輸送、レイトレースの観点から昨年度より更に詳細に調べ、2倍高調波異常波と基本波正常波のそれぞれの測定可能領域を調べ、得失を評価した。JT-60Uと比べて、JT-60SAの運転密度領域が高くなると予想される事と、弱磁場になりプラズマ周波数と電子サイクロトロン周波数の比が大きくなる事により、カットオフや屈折効果の影響を受けやすい。このために、2倍高調波異常波を選択して測定する事が望ましい。また、低アスペクト比になったことにより、2倍高調波と3倍高調波の重なりが測定空間領域を狭くする。これは、相対論的効果により更に領域を狭くする。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A
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