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2007 年度 実績報告書

非対称二極小ポテンシャルに関するトンネル異性化

研究課題

研究課題/領域番号 19550009
研究機関東京農工大学

研究代表者

中田 宗隆  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40143367)

キーワードトンネル現象 / 化学物理 / 光スイッチ / 原子・分子物理
研究概要

2-クロロ安息香酸,2-クロロプロピオン酸,2-ニトロフェノール,2-ヒドロシ-3-ニトロピリジンの光異性化に関する実験と量子化学計算を行い,分子内水素原子移動がトンネル反応である可能性が高いことを突き止めた.また,これまでに,観測されていなかった準安定な反応中間体(回転異性体)を同定することができた.具体的には,0.1℃の精度で温度制御のできる温度コントローラーを購入して,固体試料を過熱して得られる蒸気を希ガスと混合して実験を行った.加熱ノズルは高真空チェンバー内で不純物が発生しないように,無酸素銅を加工し,テープヒーターに電流を流して用いた.このようにして作成したマトリックス単離試料の赤外吸収スペクトルを測定した.一方,量子化学計算の一種である密度汎関数法で,可能性のあるすべての異性体のスペクトルパターンを予測した.得られた実測と計算のスペクトルを比較して同定を行った.次に,マトリックス単離試料の温度を変化させ,赤外吸収スペクトルの変化をモニターした.とくに,異性体間の相対強度ならびに新規準安定異性体のピークの出現を確認した.さらに,マトリックス単離試料に光照射を行い,光照射中および光照射後の赤外吸収スペクトルを測定し,光照射前のスペクトルと比較して,準安定異性体のピークを確認し,密度汎関数法で予測されるスペクトルパターンとの比較により同定を行った.スペクトルのピーク強度の時間変化から,安定異性体へのもどり反応速度定数を最小二乗法によって決定した.また,重水素化物を合成して同様の実験を行い,軽水素化合物と重水素化合物の反応速度定数の比較を行った.その結果,分子内水素原子移動がトンネル反応である可能性が高いことを突き止めた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Photoreaction mechanism of 2-chloropropionic acid in a low-temperature argon matrix2008

    • 著者名/発表者名
      S. Nishino
    • 雑誌名

      J. Mol. Struct. 875

      ページ: 520-526

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intramolecular hydrogen atom tunneling in 2-chlorobenzoicacid studied by low-temperature matrix-isolation infrared spectroscopy2007

    • 著者名/発表者名
      S. Nishino
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. 111

      ページ: 7041-7047

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamics of intramolecular hydrogen-Atom migrations in 2-hydroxy-3-nitropyridine studied by low-temperature matrix-isolation infrared spectroscopy and density functional theory calculation2007

    • 著者名/発表者名
      M. Nagaya
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. 111

      ページ: 6256-6262

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://kenkyu-web.tuat.ac.jp/Profiles/1/0000066/profile.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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