研究概要 |
結晶中における強い水素結合の静的構造と動的構造を明らかにする目的で、単結晶X線回折と核磁気共鳴(NMR)・核四極共鳴(NQR)の測定を行った。対象とした系は、短いN-H...O(あるいはN...H-O)型水素結合をもつと期待される、クロラニル酸-ピリジン類およびクロロニトロ安息香酸-ピリジン類である。主な成果は、 (1)クロラニル酸-フェナジン1 : 1化合物における強誘電体相間の相転移とO...H...N水素結合との関係の解明(2)クロラニル酸-1, 2-ジアジン1 : 2化合物におけるN...H...O水素結合系のポテンシャルエネルギーの解明(3)プロトン移動を伴う短いN...H...O水素結合を有するクロロニトロ安息香酸-キノリン及びクロロニトロ安息香酸-フタラジン化合物系の発見である。
|