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2008 年度 実績報告書

励起状態におけるプロトン移動の反応機構-近赤外から軟X線領域まで-

研究課題

研究課題/領域番号 19550020
研究機関愛媛大学

研究代表者

長岡 伸一  愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (30164403)

研究分担者 小原 敬士  愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (10284390)
キーワードプロトン移動 / ESIPT / 節面モデル / サリチルアルデヒド / フラボノイド / アロエ / 内殻励起
研究概要

励起状態における水素結合に沿ったプロトン移動は、光に誘起されて水素が右から左に移動するという単純な化学反応であり、正確な測定と定量的理論解析に適している。また、プロトン移動は、それ自身興味深い反応であり、化学や生物学の領域で重要な役割を果たすことが知られている。これまでに研究代表者は、紫外線領域の励起状態におけるプロトン移動に対して波動関数の節に基づいた光化学反応の理論的モデル(節面モデル)を提案し、それを一般の光化学反応に拡張してきた。今回、分子内水素結合を持つ最も単純な芳香族分子であるサリチルアルデヒドとその関連分子の紫外可視領域の励起状態における分子内プロトン移動の高精度ab initio分子軌道計算を行い、節面モデルの予想が計算結果によってサポートされることがわかった。また、一重項酸素やフリーラジカルのような様々な活性酸素と生体内で抗酸化反応を起こすアロエ含有分子、ビタミンE、カテキン、フラボノイドについても紫外可視領域及び近赤外領域での研究を行った。さらに、2-ヒドロキシ-3-メトキシカルボニルナフタセンの合成に目処が立ち、励起状態における水素結合に沿ったプロトン移動の研究のための体制が整った。また、軟X線分光を用いてトリフルオロ酢酸などのカルボン酸クラスターの内殻励起後のプロトン移動の研究も継続して行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Computational Study of Excited-State Intramolecular-Proton-Transfer of o-Hydroxybenzaldehyde and Its Derivatives2009

    • 著者名/発表者名
      S. Nagaoka, 他
    • 雑誌名

      Bull. Chem. Soc. Jpn. 82(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アロエサポナリンIの紫外線防御と一重項酸素消去機能2009

    • 著者名/発表者名
      長岡伸一, 他
    • 雑誌名

      ビタミン 83(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tunneling Effect in Antioxidant Reaction of Flavonoid2009

    • 著者名/発表者名
      T. Kakiuchi, 他
    • 雑誌名

      Bull. Chem. Soc. Jpn. 82

      ページ: 216-218

    • 査読あり
  • [学会発表] アロエサポナリンIの紫外線防御と一重項酸素消去の機能2008

    • 著者名/発表者名
      長岡伸一, 他
    • 学会等名
      第61回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20080619-20080620
  • [備考]

    • URL

      http://chem.sci.ehime-u.ac.jp/~structl/int_naga.htm

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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