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2008 年度 実績報告書

量子ナノ液滴内の分子過程に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19550026
研究機関金沢大学

研究代表者

三浦 伸一  金沢大学, 数物科学系, 准教授 (10282865)

キーワード液体ヘリウム / ナノ液滴 / 超流動 / 経路積分 / モンテカルロ法 / 量子クラスター / 硫化カルボニル / 量子シミュレーション法
研究概要

当グループはこれまでに相関のあるボーズ粒子系に対する経路積分ハイブリットモンテカルロ法を開発してきた。この方法は小、中規模のボーズクラスターの物性を高精度に計算することができる。しかしながら、実験でしばしば用いられているナノ液滴クラスの大きさ(千から数千原子程度)になると幾つかの数値的な問題点を孕んでくる。特に、系のボーズ対称性を満足させるための置換サンプリングはクラスターのサイズと共に著しく困難になる。この問題を克服するために本年度は新しい量子シミュレーションの方法を開発した。変分分子動力学法と変分経路積分分子動力学法という方法である。両者の方法とも多粒子系の基底状態を精密に計算するように設計された方法である。前者の方法は、粒子間の相関を考慮した試行関数に対する確率分布を拡張系の方法に基づく分子動力学法により計算するものである。試行関数のパラメータを変えて計算を実行することにより、波動関数の最適化を行うことができる。後者の方法は、試行関数を出発点として、経路積分法を用いることにより自動的にそこから基底状態を取り出す方法である。この方法の特筆すべき点は、(特にボーズ粒子系は)数値的な厳密解を得ることができることにある。ベンチマークとして、簡単な調和振動子の系に適用し、解析的な解とシミュレーションの結果を系統的に比較すると共に、変分経路積分分子動力学法から得られた数値解が厳密解と一致することを示した。さらに現実的な系として、超流動状態にある液体ヘリウムに適用し、その物性を高精度で計算できることを示した。この手法は、上述の置換サンプリングに関する問題を含まないために、大規模系にも適用可能である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Quanlum rotalional fluctuation of a linear molecule doped in superfluid helium clusters2008

    • 著者名/発表者名
      S. Miura
    • 雑誌名

      J. Phys. : Condens. Matter 20

      ページ: 494205-494208

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantum fluctuations of an OCS molecule in superfluid helium-4 clusters2008

    • 著者名/発表者名
      S. Milira
    • 雑誌名

      AIP Conf. Proc. 1046

      ページ: 11-14

    • 査読あり
  • [学会発表] 量子多体系の新しい計算手法としての変分経路積分分子動力学法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      三浦伸一
    • 学会等名
      第22回分子シミュレーション討論会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2008-11-17
  • [学会発表] 量子モンテカルロ法に対する動的アプローチ2008

    • 著者名/発表者名
      三浦伸一
    • 学会等名
      第2回分子科学討論会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] Path integral hybrid Monle Carlo sludy of an ocs molecule doped in the superfluid helium clusters2008

    • 著者名/発表者名
      S. Miura
    • 学会等名
      7th Liquid Matter Conference
    • 発表場所
      Sweden
    • 年月日
      2008-06-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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