研究概要 |
アズレンの2位にホスホリル基を、6位にヒドロキシル基を有する誘導体は、分子間水素結合の形成により自己集合し、環状多量体を構築する可能性がある。さらに、多量体内部の空孔には様々なπ電子系化合物がπ-π相互作用により包摂される結果、アズレンの電荷移動状態に変化が生じ、これが呈色変化として現れると予想される。このようなホスト分子は、π電子系センサーとして作用するため、新しい有機機能性材料として期待される。 このような2, 6-置換アズレンを合成するため、2, 6-ビス(ピナコラト)アズレンの合成法を開発した。さらに、それぞれのボリル基を段階的に官能基変換する方法も見出し、目的化合物前駆体の合成に成功した。今後は、残す最終段階の合成反応を達成し、目的化合物の合成を達成するとともに、機能性の評価を行う予定である。
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