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2009 年度 実績報告書

大環状化合物の特性を利用したフッ化炭素(C-F)のドナー性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19550052
研究機関日本女子大学

研究代表者

武村 裕之  日本女子大学, 理学部, 准教授 (60183456)

キーワードC-F…HO水素結合 / C-F…M^+相互作用 / フッ素 / シクロファン / クリプタンド / X線結晶構造解析
研究概要

C-F単位とフェノール性水酸基の水素結合C-F…HOが一般的に存在することを証明するために2-fluorophenyldiphenylmethanolと1-fluoro-4-methyl-8-naphtholを合成しX線結晶構造解析により構造を明らかにした。その結果、水酸基のOHプロトンはフッ素原子の方向に位置していること、C-F…HO距離はそれぞれのvan der Waals半径の合計より小さいことからフッ素原子がプロトンを引きつけていることがわかった。また、^1H-NMRではOHプロトンはフッ素原子とカップリングしており、また参照化合物に比べて著しい低磁場シフトを起こしていることからC-F…HO水素結合の存在が確かめられた。また、C-Fが、遷移金属イオンやランタノイドイオンと相互作用することを大環状化合物を用いて明らかにした。ピリジン環4枚、フルオロベンゼン環2枚をもつ大環状かご形化合物と各種金属イオン(アルカリ金属イオン以外)との錯体を調製し^<19>F-NMRを用いてフッ素シグナルの化学シフトを測定した。その結果、中心金属のイオン半径と化学シフトは比例関係にあり、金属の種類によっていくつかのグループに分かれることを明らかにした。以上により本研究の目的を達成できた。これらにより、近年長足の進歩を遂げてきたフッ素の化学に新たな基礎的な情報を付け加えることができた。これらの研究結果の応用として、・含フッ素基質に対する有機金属試薬の反応メカニズムの解釈、・フッ素ドナーを持つ新規ホストーゲスト化学への応用、超分子構造構築の基礎概念への応用、・対アニオンとしてフッ素原子を含む新たな活性能を持つ触媒の設計、・含フッ素薬理活性物質の開発に重要なデータの提供、等が考えられる。将来的にはより多くの実例を見出すことでこれら相互作用の一般化を図りたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Intramolecular CF…HO hydrogen bond of 2-fluorophenyldiphenylmethanol2009

    • 著者名/発表者名
      Takemura Hiroyuki, 他3名
    • 雑誌名

      New Journal of Chemistry 33

      ページ: 2004-2006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] C-F…HO hydrogen bond in 8-Fluoro-4-Methyl-1-Naphthol2009

    • 著者名/発表者名
      Takemura Hiroyuki, 他2名
    • 雑誌名

      Journal of Fluorine Chemistry 130

      ページ: 684-688

    • 査読あり
  • [学会発表] 2,3の化合物におけるC-F…HO水素結合の評価2009

    • 著者名/発表者名
      武村裕之
    • 学会等名
      第20回基礎有機化学討論会
    • 発表場所
      群馬大学工学部
    • 年月日
      2009-09-30
  • [学会発表] 新規なジアザフルオレン骨格を有する金属配位型アクセプター分子の合成2009

    • 著者名/発表者名
      迫克也
    • 学会等名
      第20回基礎有機化学討論会
    • 発表場所
      群馬大学工学部
    • 年月日
      2009-09-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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