ポリヒドリドクラスターとアルコールとの"微弱な相互作用"について各種分光装置を用いて定量的に解析し、プロトン性分子の配位による金属中心の電子状態の変化およびヒドリド配位子の性質の変化について明らかにしていく。さらに、このような相互作用を用いることでポリヒドリドクラスターの反応性を連続的に変化させ、水和あるいはアルコールの付加といった形で炭化水素分子への極性分子の付加、すなわち官能基導入反応の開発につなげることを目的とする。三核ルテニウムペンタヒドリド錯体を中心に様々な核数ならびに様々な種類の金属を用いた異種金属クラスターについても同様に調査し、プロトン性分子との相互作用の強弱からクラスターを構成する元素の数・種類が及ぼす反応性への影響についても明らかにしていく。
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