研究課題
1.キュバン形構造を持つ発光性ハロゲン化銀(l)四核錯体、[Ag_4X_4L_4](X=Cl Br,l;L=PPh_3等)について、いくつかの化合物の単結晶を作製し、SPring-8放射光施設において、光励起X線回折実験を行った。現在までの解析結果からは、光照射下での有意な原子の動きは検出されていない。これらの錯体は、室温での発光強度が小さく、発光の量子収率が悪いことが原因ではないかと考えられており、室温でも発光強度の強い配位子とハロゲンを組み合わせた、Ag(l)Cu(l)の化合物の合成を結晶化が現在進行中である。2.ピリジンチオール誘導体が架橋した、銀および銅-価六核錯体[M_6(R(C5H4NS)) 6](M=Ag,Cu;R=H,Me,Et)の固体は、室温で紫外線照射により、強い緑黄色あるいは榿色の発光を示す。これらの単結晶光励起構造解析には、良質の単結晶の作成は不可欠である。本研究で、酸化銀(l)/銅(l)と過剰の配位子を出発原料として用い、高収率での錯体を合成する方法を初めて確立した。また、この過程で発光性の銅及び銀-価の中性二核錯体を新奇に合成することにも成功し、単結晶構造解析によりその構造を明らかにした。3.発光性の八面体形六核錯体[Pt_2Ag_4L_4](L=dimethylpyrazorate)について、光励起単結晶X線構造解析を行なった。光照射下で八面体のエクアトリアル位に位置するAg_4の四角形の変形が観測された。詳しい解析と、共同研究者らの量子化学計算による励起構造との構造との関係についての検討が現在進行中である。
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http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/material/cryst_struct/index-j.html