研究課題/領域番号 |
19550087
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
前田 耕治 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00229303)
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研究分担者 |
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40314306)
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キーワード | 分析科学 / 液液界面 / 電気化学 / 界面活性剤 / リン脂質 / エマルション / リポソーム / ミセル |
研究概要 |
ミセル、エマルションなどの界面活性剤がつくる小粒子の界面や、リポソーム、ベシクルなどのリン脂質からなる生体細胞類似の小胞界面のソフトインタフェース界面の構造変化を分離化学に応用する。ガルバニ電位差決定イオンの添加・除去により、ガルバニ電位差を変化させ、自発的分配過程、保持過程、放出過程の一連のプロセスを実現することを目指す。2相間のガルバニ電位差が界面構造に与える影響に注目し、(1)液液界面を用いて、ソフトインタフェースの構造形成の電気化学的制御法を確立した上で、(2)外部回路によらないソフトインタフェースの電位制御と分離化学への応用を目指す。次の3つのソフトインタフェースを対象に、液液界面での電気化学測定をもとにして、微粒子・小胞系での分離・放出プロセスを実現する。界面構造の制御について、次の基礎的知見を得た。 ・リポソーム界面の粗密現象を利用した分離系を構築することを目的として、より稠密化する条件を検討するため、ホスファチジルコリン(PC)の吸着層とランタノイドイオンの相互作用を利用した稠密化が、ボスファチジン酸のような酸性リン脂質との協同効果により顕著に進行することを見出した。 ・ビスアンモニウム型界面活性イオンの作るエマルションの型が、水相|有機相間でのイオンの分配により、W/0、0/W、0/W/0と変化することを見出した。また、その変化が有機溶媒の種類により大きく影響を受けることが分かった。 ・Brij35のような中性界面活性剤により形成する0/W型エマルションにより、界面化学発光の増感効果が得られ、界面での溶媒分子の混合など、エマルション界面の特異性を見出した。溶媒を選ぶことによりミセルによる増感効果より大きいことを見出した。
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