研究課題
本年度の計画にあった、「ミクロカラムの特性である高感度分析の限界について精査」「LC-MSでの未修飾糖の検出法を検討」に関して検討を行ない、成果を発表した。キャピラリーカラムの特徴の一つに、試料のバンドが希釈を受けにくく、結果として検出感度が高くなる点がある。例えば内径100ミクロンのカラムは、通常よく用いられている内径4.6mmのカラムに比べて、希釈率は2100分の1に抑えることができる。キャピラリーLC-MS/MSシステムの検討で、スクロースやトレハロースの検出感度はnMレベル(MSにおいて、数百atto mol)であることが分かっており、粒子充填カラムでは不可能な微少成分の分離と検出が可能なことを示した。ポリアクリルアミドをコートしたシリカモノリスキャピラリーカラムを調製し、様々な流速における理論段高を調査した所、7-20ミクロンとなった。このデータに基づくKinetic plot解析で、粒子充填型のカラムと比較すると、モノリス型カラムは約3倍速く同じ分離性能を与えることが示された。これにより、モノリス型シリカカラムは糖の高速分離にも有用であることが明らかになった。酢酸緩衝液を移動相に混入し、HPLC分離後の検出をネガティブモードでESI-MS(Electrospray Ionization Mass Spectrometry)で行なうと、未修飾の糖が効率よく検出できることが分かったので、これも併せて報告した。
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Chromatographia (未定)(印刷中掲載決定済)
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