研究課題/領域番号 |
19550097
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
渡辺 邦洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40084470)
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研究分担者 |
板垣 昌幸 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90266908)
四反田 功 東京理科大学, 理工学部, 助教 (70434024)
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キーワード | 固相分光法 / テフロンAF-1600 / 固相抽出 / 吸光光度法 / ノニルフェノール / 界面活性剤 / イオン対抽出 / オンライン濃縮法 |
研究概要 |
固相分光法は吸着材に濃縮された分析目的物を溶出することなく、直接測定するもので、溶出による希釈がないことから高感度分析法の開発が実現できるものと期待される。しかし、一般的測定法である吸光光度法や蛍光法では散乱により試薬空試験値が高く、定量範囲、検出限界に問題があった。 本研究では試薬空試験値を低減させるために低屈折率で紫外部、可視部に吸収を示さないテフロンAF1600を用いることを試みた。市販のものは発泡スチロール状の白色体であるので、これを溶融し、脱気の後、微小粉末を調製した。これの表面積は400m^2/gであった。この粉末を吸着剤として、環境負荷物とされる界面活性剤の分解生成物であるノニルフェノールの吸光定量を試みた。環境試料水を用いて、調製した試料の流量を1ml/minで20分間濃縮し、ppbレベルの検出定量が実現できた。問題点としては紫外部の吸光度測定であるために、共存する有機物の妨害を受けることである。選択性を改善することが今後の課題である。またアニオン性界面活性剤の定量法として、Co(III)-5-C1-PADAPを用い、イオン対を生成させ、テフロンAF-1600粉末に濃縮し定量する方法を検討し、選択性を改善できる可能性を見出した。 本研究の目的は固相分光法で超微量成分の定量を実現することであるので、吸着材をテフロンAF-1600に限定せず、テフロンフィルターの使用も検討した。この方法は使用するセルの構造を改良することにより、超微量成分分析の可能性をみいだした。
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