1) 抗原:taxo-タンパク質複含体の合成 2'-succinyltaxol-RSAを感作用抗原に、また、2'-succinyltaxol-RSAをELISA用に採用することにした。両者を、EDCとSulfo-NHSを用いた活性エステル法により合成した。一方、合成確認法として、RSA、BSAの酵素処理等により得たペプチド断片を質量分析し、taxol結合ペプチドを検出することを計画した。その準備段階として、2種類のtaxol結合性Fmoc-ペプチドと、そのFmoc-脱保護体のMS/MS、ニュートラルロススキャン測定により、開裂パターンや、モニターイオンの詳細な解析を行った。 2)抗taxolモノクローナル抗体のクローニング 2'-succinyltaxol-RSAをBalb/c SPFマウスに感作させた(Freund's complete adjuvantを使用)。2週間おきに感作を繰り返し、2'-succinyl-taxol-BSAでELISAを行った。4週目に抗体価の上昇が観察された。そこで、脾臓を摘出し、ミエローマ細胞Sp210-Ag14との細胞融合、HATセレクションを行った。拡大培養とクローニングを繰り返し、2種類のtaxol認識抗体産生ハイブリドーマのクローニングに成功した。今後、残り2種の抗体産生ハイブリドーマのクローニングを完了する予定である。 平成21年度(最終年度)は、これら抗体産生バイブリドーマをマウス腹腔内投与して大量生産し、抗体の単離精製後、抗体反応を実施する予定である。
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