研究概要 |
20年度に計画したコロイド結晶の作製に成功し、構造色の反射スペクトルによる解析を行った。 1) t-butyl methacrylate(BMA)とethyleneglycol dimethacrylate(EGDM)のエマルジョン重合からPBMA架橋微粒子を合成した。次いでこれをシードとしてMMA,inimer:4-vinylbenzyl N,N-diethyldithiocarbamate(VBDC),EGDMで被覆したコアーシェル微粒子をエムルジョン重合で作製した。この微粒子は表面に光官能性のcarbamate(DC)基をもつので光誘起ATRPでMMAをグラフトし、brush-core型の微粒子も合成した。これらの粒子径は150-300nmであり重合条件で制御した。コアーシェル微粒子をガラス基板にキャストし、粒径に依存した赤-黄-緑-青のコロイド結晶形成による構造色が発現した。反射スペクトルからBragg反射から計算できる面心立方格子の(111)面からの反射光であることを解析・証明した。またビニルモノマーを含浸させDCからの光グラフト重合で構造を固定したフィルムも作製できた。 2) この技術をシリカ微粒子に応用した。すなわちシリカを高分子膜で被覆し表面にDC基を導入したり、光誘起ATRPでブラシ構造をもつシリカハイブリッド微粒子を作製した。この微粒子もコロイド結晶を形成し、構造色を発現する。このように発色団を使用しない光学材料を開発した。
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