研究課題
第三級アミンとハライドから第四級アンモニウム塩が生成する反応を利用して、ジアミンとジハライドとの反応で、第四級アンモニウム塩構造を繰り返し単位に有する高分子の合成法についての研究を行った。最初に構造解析などの容易なアキラルジアミンとジハライドを用いてこの重合法に関する基礎的知見を整理する必要があるため、アキラルなジアミンとして1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)とジハライドにω-ジブロモキシレンの重合を検討して第四級アンモニウム塩高分子合成の詳細な条件検討を行った。種々反応条件を検討した結果、水、ジメチルホルムアミド混合溶媒中で、ジアミンとジハライドを加熱することにより、分子間で四級化反応が進行し、高分子を生成することがわかった。高分子主鎖に第四級アンモニウム塩構造を含むため得られた高分子の多くは、水溶性を示した。DABCOとジブロモキシレンとの重合では、メタおよびパラジブロモキシレンを用いた場合に高分子量の生成物が得られることを確認した。次にキラル第四級アンモニウム塩構造を主鎖に含む光学活性高分子の合成についても検討を行った。第四級アンモニウム塩として、シンコナアルカロイド類を用いることにより、種々の光学活性第四級アンモニウム塩型高分子の合成に成功した。これらの光学活性高分子は、種々の有機反応の不斉触媒として作用することも明らかとなり、これまでにない、新規主鎖不斉型高分子触媒を開発することができた。
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http://www.tutms.tut.ac.jp/~haraguchi/sub9.html