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2007 年度 実績報告書

p/n型有機二重層フィルムを用いた高活性固/液界面の構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19550129
研究機関弘前大学

研究代表者

阿部 敏之  弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20312481)

キーワード光エネルギー変換 / 有機半導体 / 光触媒
研究概要

光エネルギー変換系では,太陽光エネルギーのより効率的な利用を図る観点から,利用波長域の長波長化に関する検討が活発に行われている.本研究代表者はp/n型有機二重層フィルムが広範な可視光に応答する光機能界面となることをこれまでに見いだしており,それを踏まえて,高効率固/液界面の創出に関する検討を行った.
有機半導体材料を探索する一環として,高分子半導体であるポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT,p型半導体)を,フェニル-C_61-酪酸メチルエステル(PCBM,n型半導体)と組み合わせて用いた.スピンコート法により調製したフィルムは光アノードとして顕著な特性を示した.フィルム作製後に加温を施したり,さらに,フィルム表面に分子触媒を結合する方法で,より効率的な固/液界面に改良できることが明らかとなった.
また,ペリレン誘導体(PTCBI,n型半導体)/無金属フタロシアニン(H_2Pc,p型半導体)系(光アノード)においては,1×10^<-3>Pa程度の真空度及び120℃の条件を採用して蒸着フィルムの作製を行うと,固/液界面における酸化反応速度がこれまでの結果に比べて約2倍程度向上した.
上記のPTCBI/H_2Pc系は,一般に固/液界面における電荷授受過程が律速段階であるが,それとは異なり,フラーレン(C_<60>,n型半導体)/H_2Pc系(光アノード)は,照射光量により律速段階が変化することが明らかとなった(低光量条件ではキャリア発生過程(固/固界面),高光量条件では電荷授受過程(固/液界面)).現時点では,真空度々基板温度の制御による固/液界面の高効率化は明らかとなっていないが,特に50℃の条件で作製したフィルムは固/固界面の改良により室温条件で作製したものと比較して,約2.5倍程度量子収率(52%;測定波長,500nm;照射光量,0.64μWcm^<-2>(低光量条件))が向上した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Study of the Factors Affecting the Photoelectrode Characteristics of a Perylene/Phthalocyanine Bilayer Working in the Water Phase2008

    • 著者名/発表者名
      T. Abe, S. Miyakushi, K. Nagai, T. Norimatsu
    • 雑誌名

      Phys. Chem. Chem. Phys. 10(11)

      ページ: 1562-1568

    • 査読あり
  • [学会発表] フラーレン/フタロシアニン二重層のフィルム作製条件とその湿式系光アノード特性の関係2007

    • 著者名/発表者名
      阿部敏之, 一戸弘昌, 長井圭治, 乗松孝好
    • 学会等名
      平成19年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] ペリレン誘導体/フタロシアニン系光アノードにおける酸化反応速度解析2007

    • 著者名/発表者名
      阿部敏之, 宮串彰一, 長井圭治, 乗松孝好
    • 学会等名
      平成19年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] フタロシアニン/フラーレン系光カソード上で誘起される水素発生2007

    • 著者名/発表者名
      阿部敏之, 飛内俊輔, 長井圭治, 伊藤 隆, 乗松孝好
    • 学会等名
      平成19年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] p/n型有機フィルムの湿式条件における光電極特性2007

    • 著者名/発表者名
      阿部敏之, 長井圭治
    • 学会等名
      第68回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道工業大学
    • 年月日
      2007-09-04

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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