研究課題/領域番号 |
19550158
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
奥 浩之 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20301749)
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研究分担者 |
狩野 繁之 国立国際医療センター研究所, 適正技術開発移転研究部, 部長 (60233912)
山田 圭一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70323334)
花岡 宏史 群馬大学, 医学系研究科, 助教 (50361390)
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キーワード | ペプチド / マラリア / 高分子合成化学 / 生体関連化学 / バイオイメージング |
研究概要 |
平成19年度は(1)人工抗原を含んだ生分解性微粒子の作成(2)微粒子に用いるポリデプシペプチド基材の作成(3)温度応答性デプシペプチドによるモデル薬物のパルス状放出を行った。 (1)ワクチン用微粒子の作成ポリデプシペプチドまたはポリ乳酸-グリコール酸共重合体を基材として用い、w/oエマルジョン法により、マラリア原虫の人工抗原を含有するワクチン用微粒子を作成した。微粒子の問題点である、投与初期の急激な薬物放出(初期バースト)は抗原と基材の相互作用により抑制することができた。その結果、in vitroやin vivo条件での微粒子の崩壊と人工抗原の放出を確認することができた。 (2)ボリデプシペプチドの合成通常、吸収速度の速い基材としてグリコール酸が多く利用されるが、溶解度の低下や急速な分解による炎症が問題である。本研究では、新しい非可逆的な温度応答性を有するナノ微粒子を形成するポリデプシペプチドの化学合成と学会発表を行った。 (3)温度応答性デプシペプチドによるパルス状薬物放出上記(2)に記載したポリデプシペプチドを用いて、モデル薬物によるナノ微粒子からのパルス状薬物放出を試みた。その結果、温度をトリガーとしてモデル薬物をパルス状に放出することが可能となった。将来のワクチン抗原のパルス状放出への応用が期待される。 本研究は合成化学を中心とした基礎研究であり,マラリア患者を直接研究対象とすることはなく,倫理面での問題点は生じない。共同研究者による動物や患者血清を用いた実験ではそれぞれの研究機関の「動物実験委員会」や「倫理委員会」等の承認事項やガイドラインを遵守してこれを実施している。
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