研究課題
平成22年度は、(A)蛍光性ポリデプシペプチド基材とモデル薬剤を含有させた微粒子からの薬物放出と(B)近赤外蛍光団を結合させたポリ乳酸基材の作成と生体内吸収の評価を行った。(A)生分解性微粒子の作成本研究では、蛍光性の新しいデプシペプチドを基材として用い、(1)o/wエマルジョン法または、(2)w/o/wエマルジョン法によりマイクロスフィアを作成した。人工抗原のモデル物質として(a)アミノ酸誘導体、2HCl.H-Lys-aminopyreneと(b)4残基ペプチド、2HCl.H-Ala-Leu-Lys-Lac-aminopyreneの2種類を含有させた。PBS溶液中で微粒子の崩壊とモデル物質の放出を追跡した。モデル物質はC末の1-aminopyreneの蛍光測定(342nm)により放出量を定量した。いずれのマイクロスフィアにおいても初期放出の後に徐放が始まった。77日後のモデル物質放出量はそれぞれ(1-a)88%、(1-b)100%、(2-a)3%、(2-b)57%となった。w/o/wエマルジョン法はo/wエマルジョン法のマイクロスフィアに比べて放出が緩やかなことがわかる。水相に添加したゼラチンの効果と考えられる。(B)近赤外蛍光団修飾ポリ乳酸の合成本研究では、蛍光色素としてICG-sulpho-OSuの合成法の改良を行った。次に得られた蛍光色素をポリ乳酸の-OH末端にエステル結合により導入することで、新しい蛍光性ポリ乳酸の作成を行った。得られたポリ乳酸基材は薬物との微粒子製剤とした後に、ラット硬膜外へ留置して吸収の様子をin vivo imagerで14日間観察を行った。
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Peptide Science
巻: 2010(In press)