1、endo-閉環中員環エーテル構築法の中員環エーテル天然物合成への応用 申請者が開発した、フェニルスルファニル基隣接基関与を利用するヒドロキシエポキシドのendo-閉環反応を鍵反応として適用し、代表的7員環エーテル化合物であるZoapatanolの合成研究をおこなった。7員環エーテル骨格および側鎖部の立体選択的合成を完了し、両者のカップリングを検討している。また、代表的8員環エーテル化合物である(+)-Laurencinの全合成に適用し、既知の合成中間体の合成に成功し、形式合成を達成した。 2、exo-閉環中員環エーテル構築法の中員環エーテル天然物合成への応用 申請者が開発した、Eu(fod)_3を用いるヒドロキシエポキシドのexo-閉環反応による立体選択的中員環エーテル構築法を鍵反応として適用し、様々な多官能性中員環エーテル天然物の合成研究をおこなった。平成19年度に引き続き、中員環エーテルを含む特異な2環性骨格を有するIsolaureatinの合成研究をおこなった。ホモアリル位のシロキシ基の立体障害を利用したアリルアルコールからanti-選択的に導入したジエポキシドから、2段階の閉環反応により基本骨格となるジオキサビシクロ骨格を構築した。更にハロゲン基の導入およびエンイン側鎖の伸張をおこない、同化合物の全合成を達成した。一方、同反応を3環性センブラン型化合物であるAstrogorginの合成研究に展開した。基本骨格構築の中で重要となる9員環エーテル構造の部分構造の合成に適用し、高収率で目的とする化合物が得られることを見い出した。
|