研究課題
金ナノ粒子を固定化した分子認識高分子を合成することを目的とし、以下の2点について検討を行った。1)センサー構築に適した金ナノ粒子の調製金ナノ粒子の表面修飾残基について検討を行った。高分子合成系中に金ナノ粒子を添加するためには、金ナノ粒子に有機溶媒への溶解性を付与する必要がある。そこで、ナノ粒子調製時に添加する保護剤を変えることにより種々の修飾金ナノ粒子を調製した。その結果、センサー基板を被覆する分子認識高分子の合成に適したジメチルホルムアミド等への溶解性を高めるにはメルカプトウンデカン酸等による修飾が.効果的であることがわかった。さらに、高分子に共有結合を介して固定化することを想定し、アリルメルカプタン等による修飾も検討した。いずれも安定な金ナノ粒子溶液が調製可能であった。透過型電子顕微鏡による計測の結果、金ナノ粒子の粒子径(直径)は約5nmであり、単分散のナノ粒子が得られていることがわかった。また、水溶性保護基としてDNAについても検討した。2)金ナノ粒子内包型分子認識高分子の合成とセンサーチップへの固定化修飾金ナノ粒子、メタクリル酸等(モノマー)、エチレングリコールジメタクリレート(架橋剤)、ジメチルホルムアミド(希釈剤)、アトラジン(環境ホルモンであり鋳型分子として用いた)、AIBN(重合開始剤)を混合し、予めアリルメルカプタン等で修飾した金基板上で熱重合により高分子を得た。走査型電子顕微鏡により被覆高分子の膜厚を計測したところ、約300nmであることがわかった。
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Tetrahedron Lett 48
ページ: 8514-8517
Anal.Chem 79
ページ: 1749-1757